アールト大学 IDBM留学日記

デザイン × ビジネス × テクノロジー

新たなチャレンジへ

2020年も既に9月の半ば。ヘルシンキの気温もぐっと下がり、部屋の暖房もつきました。

IDBM自体は6月に卒業したのですが、卒業セレモニーは9月に実施、、、のはずだったのですが今年は残念ながらキャンセルに。証書を学校のロビーに取りに来るように、とのメールがあったので、取りに行きました。受け取ったあと、友人と学校のあちこちで記念撮影しました。この日は9月3日。写真の履歴を見ると、ちょうど2年前のこの日も学校のロビーで写真を撮っていることに気づきました。2年前の写真と比較すると、僕自身の外見に特に変わりはないようですね。が、2年間を振り返ると、まぁ色々あったなーと、思い出が蘇ってきます。

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2年前と、今と

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校舎Väreの前で

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アールト建築のAmfitheatreにて

 

アールト大学の卒業証書

卒業証書はどんな感じなの、というと、こんな感じです:

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アールト大学MA卒業証書

紙ペラ1枚なのかと思いきや、英語の証書や成績表、説明の文書に加えて、全てフィンランド語バージョンも入ってました。結構厚みのある紙束に驚きました。しかも結構良い紙です。2年間やった重み、みたいなのがありますね。正直、嬉しい。

 

夏の終わり

夏の間は仕事に加え、フィンランドサマータイムを満喫しておりました。

 

仲間と野生のブルーベリーを摘みに行ったり

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仲間と野生のブルーベリーを摘みに

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森中がブルーベリーだらけ。摘むの結構疲れます。

摘んだブルーベリーで、mustikkapiirakka(フィンランド伝統のブルーベリーパイとタルトの中間的なやつ)を作ってみたり

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mustikkapiirakkaを焼き中

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完成-自分にしてはうまくいったと思う

仲間とLinnanmäki(ヘルシンキの遊園地)に行ってジェットコースターに乗ったり(日本のクオリティに比べると全体的にショボいですが、1つ新しいジェットコースターはなかなか迫力あり)

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Linnanmäki遊園地

みんなでSUP(スタンドアップパドル)でヘルシンキの付近の島に上陸してみたり

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ヘルシンキでSUP

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小さな島に上陸

大聖堂の前の広場のアウトドアフードコートでランチを楽しんだり

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長老院広場が夏のアウトドアフードコートに

あとはひたすらアウトドアの自然をエンジョイしていました。

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新学年の始まりと新たなチャレンジ

夏の楽しみの他、仕事の一部でやっているPack-Ageという授業の助手として先生と一緒にコースをデザインしておりました。IDBMで学んだことを活かし、かなりみっちり企画しました。

今月からは新学年が始まり、僕自身も授業のワークショップをファシリテートしたり、アイディエーションやチームワークについてレクチャーをしたりと、意外と教える側に立っております。今までアカデミアでの仕事はどうなのかと思っていたのですが、やってみたら意外と面白い、どころか、自分自身の学びがものすごいと実感。「教える」という行動が「ガチで学ばないといけない」からでしょうか。自分のコンフォートゾーンを完璧に脱していますが、とても充実しています。

フィンランドで、アールト大学で、これからは学生としてではなく、学びの場をどううまく作っていくか、が今の新しいチャレンジです。

 

 

最後に

この回でアールト大学IDBM留学日記も最後になります。

2年前、スーツケース1つ引きずって初めてやってきたフィンランド

 

超適当な日記として始めたこのブログも、良く2年間も続いたなと思います。中学生のような文体で書いた記事も、たまに遡って読んでみるのも個人的には面白いですね。お読みいただいていた皆さま、ありがとうございました。次は仕事の日記でも始めようかな。まだ決めてませんが、そのうち考えます。

最後に、アールト大学IDBMへの留学をサポートしていただいた皆さまの支援なくしてはできなかったと思います。本当にありがとうございました。

 

アールト大学IDBM留学日記

 

IDBM卒業後、フィンランドでの仕事や生活の様子はツイッターでアップしていきます

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修論 『Sustainability vs Culture : 日本の包装文化とサステナビリティを並置する』

2019年の夏、僕は東京での夏季休暇を中国からの旧友と共に楽しんでいました。2人でスーパーに立ち寄り、飲み物やスナック菓子を買うと、その友人が突然「日本の商品のパッケージは正直、やりすぎだよね」と言いました。「そうだね」とその場では同意したものの、その理由を明確に説明できないことに気付きました。その夏、僕は日本で買う商品のパッケージの量に注意を払い、その友人の言ったことを考えてみました。確かに、やりすぎのように感じました。

日本のパッケージは過剰なのかーこの単純な疑問を、アールト大学IDBMにおける修士論文の研究テーマの出発点にすることにしました。

これはアールト大学IDBMの2年目で修士論文の研究として行い、発表したものを日本語に訳し、一部を抜粋して書いたものです。

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修論のDefenseで使用したスライドのタイトルページ

背景

時は2020年ーこの惑星の気候は刻々と変化しています。差し迫った気候変動の脅威は、地球の未来を脅かすだけでなく、人間の暮らしや経済活動の基礎となる生産も危険にさらします。この前例のない危機を克服するには、注意深い着目、迅速な対応、国や政府を超えたシームレスなコラボレーションが必要です。

日本はこのレンズを通して見るのが面白いケースです。豊かな歴史と第二次世界大戦後の経済的飛躍は相まって、経済的成功だけでなく、G8等の国際連合における気候変動政策の合意を推進するリーダーの1つにもなりました。

日本は環境保全に非常に積極的です(のように見えます)。 「もったいない」と呼ばれるグローバルな日本語さえあります。これは、まだ使えるものを捨てることに対する「罪悪感」の様な言葉でしょうか。日本のほぼすべての地方自治体には厳格なリサイクル方針が設定されており、多くの市民は協力しています。ごみを45種類に分別することで廃棄物ゼロを目指す徳島県上勝町は、リサイクルと削減への市民の取り組みを表す好例といえるでしょう。

一方で、多くの記事は、過度の物質使用に対する日本の慣習を批判しています。Nikkei Asian Reviewは、日本を「プラスチック廃棄物の一人当たりの生産量で2番目に多い」と指摘し、「持続可能性に対する意識は他の国に比べて遅れている」と指摘しています。

国連のSDG'sの12番目の目標は消費量を削減=梱包材の量を削減することを提唱し、消費/使用量を減らしてリソースを節約することを論じています。過剰な材料使用の事例は、持続可能性のトピックと本質的に矛盾しているようです。

この具体的な例の1つに、日本でお菓子を購入するときに伴う包装の量があります。たとえば、クッキー1つとっても、最終的に商品に到達するまで何層もの包装を剥がさなければいけません。現代の日本の消費者にとって、これは自然なことであり、多くの場合、製品が信頼できることを示しています。また、衛生の問題もあります。大きなパッケージ内にプラスチックの個包装を使用すると、製品の衛生状態が向上します(誰も食べ物に触れなかったことが確実になるためです)。品質と衛生に加え、日本の贈答文化にも包装習慣の原点があります。物事を優雅に、そして重ねて包むことは、尊敬の念の物理的な表現です。日本のパッケージの概念は、西洋での「To pack」という概念よりもはるかに深い意味を持っています。


同僚とのミニ実験

研究の初期段階で、アールト大学IDBMの同僚の2人とミニ実験を行いました。どちらも日本出身ではありません。僕が日本から持ち帰ってきた贈答用の製菓を使い、彼等がパッケージを開いている間に彼らの反応を観察するというものです。この研究は網羅的ではなく、コントロールされた変数を用いて行われたわけでもありません(それぞれに異なる菓子が与えられました)。このミニ実験は、日本のパッケージにめったに接触しない人から直接反応を得ることを意図していました。彼らの「開梱体験」は、僕がサイレント・オブザーバーとしてビデオに記録しました。ここに彼らの発言のいくつかがあります:

 

学生Aからのコメント:

  • 「本当にきれいに梱包されているね!」(開封前に製品を見て)
  • 「すごいな...」(外部の包装紙を外した後、より多くの包装材料を見て)

 

学生Bからのコメント:

  • 「すごい素敵なパッケージだね!」(開封前に製品を見て)
  • 「新しいiPhoneの箱を開ける感じだね」(蓋を開けようとして)
  • 「(パッケージの)量は、このような小さなビスケットには多すぎだよ」(ビスケットを持ちながら)

 

上記の同僚と私が行ったミニ実験から、少なくとも日本人以外の観点からは、パッケージが過剰であると解釈される可能性があることがわかりました。彼等は、パッケージの丁寧さやクオリティに感動していましたが、多くの量の包装材が適用されていることに対して驚いていました。

この実験ではその根本的な理由や、サステナビリティに関連してパッケージで何が起こるべきかについて、それ以上の洞察は得られませんでしたが、異なる方向を向いている2つの力があることは明らかでした(下図)。この論文はそれらの力を理解することであり、それらが同じ方向を向く方法を探ることであるというヒントを与えてくれました。

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Juxtaposition of forces looking in different directions

 

リサーチクエスチョン

この論文の目的は、主に次の2つの質問に答えることです。

  1. 日本のパッケージの現状を形づくる歴史的、社会的、文化的要因は何か?それは今日のサステナビリティとどのように並置するのか?
  2. 日本のパッケージは、日本の社会文化的価値を保ちながら、ますますサステナブルになっていく世界とシンクすることができるか?もしそうなら、どのようにできるのか? 

 

貢献

この論文の目的は、日本のコンシューマープラクティスを批判したり、サプライチェーン内に存在する問題を非難したりすることでも、パッケージの全体像問題に対して単一のソリューションを提供することでもありません。代わりに、これは日本のパッケージを構成する歴史的、文化的、社会的要因を明らかにし、今日の世界における持続可能思考とのギャップを特定することです。パッケージデザインの専門家やパッケージング資材メーカー企業とのインタビュー、そして日本の一般消費者に対するアンケート等、直接的なデータを統合し、この論文では、日本の包装文化にどのような未来があるか、とりわけ持続可能性とどう調和していけるのか、という命題をまとめます。したがって、この論文の貢献は、現在の知識のギャップを埋めることによって生まれる、新しい知識になります。

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Research Area


動機

この論文を進める上で最も重要な問いの1つは、なぜこれを行うのか、でしょう。主な理由は3つあります。

第一に、この論文はいかなるビジネスや企業によってスポンサーされておらず、特定の会社のニーズに応えるものではありません。代わりに、この論文は僕自身の個人的な好奇心と興味に由来しています。僕はイギリスで生まれ、アメリカで育ち、日本でキャリアを築き、フィンランド修士課程を修了することができました。日本にルーツを持っていることを誇りにしながら、国際的なバックグラウンドに感謝しています。一方で、日本の文化やその国を形作る人類学的重要性についてはほとんど知らないのではないかという、潜在的不安がありました。したがって、僕はこの論文を、日本の文化について理解を深める機会として利用したいと考えました。

第二に、僕は2018年にフィンランドに引っ越して以来、サステナビリティに関するトピックの絶え間ない波にさらされています。アールト大学では持続可能性への関心やトピックを嫌という程見聞きします。同時に、自宅のゴミ箱を見て、内容の大部分が梱包材であることに気付きました。パッケージの必要性とそれによって自分自身が環境に引き起こすダメージを考えると、これらの2つの対立する力の問いは興味深いものでした。

最後に、前のポイントを補足して、この論文では日本のパッケージの問題を探っていますが、全体像として、異なる世界間に橋をかけたいと思っています。片方からは、日本のパッケージの原点を明らかにし、もう片方からは、日本の文脈における、持続可能性に関する将来のビジョンを提供します。これをデザイン・ディスコースを通じて世界中の聴衆に結びつけることで、この論文が理論的な貢献だけでなく、具体的な洞察も提供することを期待しています。


この論文がしないこと

この論文は、日本の包装の意味と、その未来を想像することに力を注いでいます。コンテクストを設定するため、贈答用の菓子折をケースに用いていますが、持続可能性自体は複雑な問題であるため、この論文では次の点については触れません。


・本論文では、気候変動という大きな問題自体を主要なトピックとして取り上げていませんが、包括的なテーマとして、行動を起こすことの妥当性と差し迫った必要性が指摘されています。
・本論文では、野菜、果物、ローエンドの菓子類、またはその他の日用品のパッケージなどは対象外としています。
・本論文では、特定の銘柄や種類の製菓を事例として取り上げていません。
・本論文では、パッケージの材料や化学組成を調査しませんが、持続可能性の傾向とイノベーション事例を説明するためにいくつかの例が挙げられています。
・本論文は、パッケージのライフサイクルに特効薬を提供するものではなく、持続可能性のためのチェックリストを提示するものでもありません。

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論文はアールトのアーカイブに保存されているので、興味のある方には参考にしていただけたらと思います。

aaltodoc.aalto.fi

夏のフィンランドを島で楽しもう - セウラサーリ島にIDBMでピクニック

7月のフィンランドは1ヶ月間まるまる夏休みモード。今年も晴れの日が多く、とても気持ちの良い夏です。

 

日中はアールト大学での仕事、そして個人で請けている仕事を行い、 夕方は勉強や散歩/ランニング、友人と集まったりして夏を過ごしています。

さて、この間の週末はヘルシンキ市内にまだ残っているIDBMの仲間たちと、セウラサーリ(Seurasaari)という島にピクニックに行ってきました。

この島自体に来るのは2回目ですが、今回は天気がとても良く、写真もたくさん撮れたのでその写真をペタペタ貼っていきたいと思います。

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セウラサーリは市内から北西のところ

フィンランドには大小たくさんの島があるのですが、この島はヘルシンキの中央のKamppiからバスで約15分でたどり着けます。自転車でもok。本島とは橋で繋がっているので、歩きでも入れるのが魅力です。

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橋でつながってるので歩いて入れます

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この赤茶色いリスが生息していることで有名らしい

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海に通じる滑らかな岩の良い場所を確保

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各自持ち寄ったランチでピクニック開始

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昼食後、水の中へ

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入水

水は暖かく、とても気持ち良い温度でした。風が吹き始めるとむしろ水の中の方が暖かいくらい。波もそんなになく、ボートが通りかかった時や風が吹いたときくらい。天気に恵まれた1日でした。

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夕方頃には熱気球も飛び始めてました。調べたところ搭乗料金は1人200ユーロ強(何時間は不明)。

 

この日は夜の10時半/11時くらいまでこの島でピクニックしましたが、そのまま岩の上で寝て1夜を過ごしてしまっても良かったのではないかというくらいの穏やかさでした。

 

ちなみに、この島は「野外博物館」といって昔の暮らしや教会などを見物できます(有料)。歴史ある建物や昔の小屋の様子を見物するのも良し、なのですが、この島を本当に楽しむのはこの博物館ではなく、自然を楽しむピクニックだと思います。なので、夏の間にこの島に来れる場合、以下を持ってくることを個人的にはオススメしたいと思います:

  • タオルやシートなど、下に敷くもの
  • お昼ご飯(島内にはカフェもレストランもあり)
  • 水着(泳ぎたければ。オススメ)
  • のんびり過ごす時間的余裕(半日/1日使うつもりで)

  

ちなみに、下の画像は別の日に自宅近くで撮影した写真。夕焼けが蛍光色で気持ち悪いくらい綺麗な赤。身体中10箇所くらい蚊に刺されながら見てました。

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ヴァンター川の河口から見た夏の夕焼け

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段々濃くなっていき。。

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かなり明るいオレンジに

上の3枚とも、フォトショなどで加工していません。スマホの自動調整で写っているとはいえ、肉眼で見えたときと同じくらいの見え方でした。

Climate Leadership Coalitionで登壇しました

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Climate Leadership Coalitionのサイトより

僕がやっているアールト大学での仕事の一つに、Climate Leadership Coalitionという組織のための活動があります。

この組織は何かというと、"環境問題を取り扱うヨーロッパで最大の非営利団体"(CLCサイトより)だそうです。2014年にSitraなど(フィンランドの政府系イノベーションファンド)やフィンランド国内の企業によって設立されました。

2020年6月現在では46の企業、7つの大学、6つの市、6つの貿易組織、4つの研究機関、1つの財団と、1つの労働組合が連立し、構成されています。アールト大学も参画していて、僕の修論のアドバイザーだった先生も関わっている、ということになります。

 

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色んな組織が参画

CLCのサイトから言葉を引用すると、この組織の信念は以下になります:

持続可能な世界は経済的に有益であり、達成が可能であり、賄うことが可能である。

(中略)

私たちは共に、ビジネスを通じて気候変動にプラスの影響を与えることを目指す。CLCは、(政府などの)意思決定者に対し、予測可能で大胆なポリシーと体系的な市場主導型ソリューションを介して投資を誘致することにより、持続可能性の加速をすることを奨励する。 

簡単に言うと、様々な企業・研究機関・政府組織を横断して連立をたて、知識等を共有し、政府などのポリシーメーカーに対して持続可能なソリューションや政策を助言していく、ということになります。

産官学の三位一体で地球の持続可能性に立ち向かう、といったところでしょうか。それぞれ環境に対しての意識が高いフィンランドだから機能する、という感覚はあります。

CLCの活動の軸となるテーマは13個ほどありますが、僕が先生と関わっている部分はCircular Economy(循環型経済)のエリアです。

 

さて、2週間程前のことになりますが、このCLCで、IDBMで書き上げた修士論文をプレゼンさせていただく機会がありました。サーキュラーエコノミーのテーマでのナレッジ共有プレゼン会、みたいな会合で、4人がプレゼンしました。僕以外の3人はアールトの講師・教授でかなり豪華な顔ぶれ。Idil Gaziulusoy教授(アールトではサステナビリティとデザインに関してはスーパースター級の名物教授。Design Researchの授業もこの先生が教えてくれた)も発表していました。自分が横に並んでプレゼンしていいのかって思うようなメンツ。。。

Sitraで発表会があるはずだったのが今回はオンラインで実施(残念。。)当該テーマに興味のあるメンバー30名ほどが聞いてくれました。

エキスパートと並んで発表すること自体が恐れ多かったのですが、質問やコメントをたくさんもらえたのが正直嬉しかったです。(むしろ質問とコメントを一番多くもらえたかもと思っています。先生と教授陣の話は少し専門的に偏ってしまい、知識のバラつきがあるオーディエンスには難しすぎたかも)

 

このような機会をもらえたのはありがたいですね。次に繋がることを期待したい。

🎓アールト大学IDBM卒業とその後

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朝焼けなのか、夕焼けなのか

6月19日、金曜日。今日はフィンランドではJuhannusaattoといって、夏至を祝う大事な日のイヴ。クリスマスと同じくらい重要な祝日です。この週末、皆サマーコテージに行き、焚き火をしたりして過ごします。酔っ払って湖に飛び込み、毎年死者も出ます。アールト大学の教授が「毎年何人が溺れ死ぬかを予測する賭けを家族としている」とゲラゲラ笑いながら言っていたのは衝撃。

 

アールト大学IDBM卒業 

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2年間お世話になった学舎Väre - これからもお世話になります

さて、2018年の8月、初めて訪れたフィンランドのアールト大学のIDBM修士課程での2年間も、ついに終わりを迎えました。長いようであっという間の2年間。公式の卒業日は6月29日 - 卒業式は通常8月の終わりに行われるようですが、今年は9月の上旬にリスケされたみたい。また、物理的に行われるかどうかも微妙です(もしかしたらオンラインで行われるかもしれないとのこと)。最終成績表も発行され、卒業に必要な120 ECTSに対し、131 ECTSを修了しました。振り返ってみると密度が濃く、そして何よりもfunな2年間でした


何がよかったか

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1番始めの授業 IDBM Challenge | Photo Credits: Van Nuggets, Jia Ying Chew

予想してもなかった学びがたくさんあり、様々な人との出会いがあり、多くのイベントに参加できました。IDBMは良くも悪くも学びがarbitraryでカオス。学びを一言で表現するのは難しいですが、個人の専門領域を横断してチームで取り組む重要性とそれによる価値の創造を数々のプロジェクトで、そしてデザインリサーチに関する様々なセオリーやメソッドを座学と実践で、そしてサステナビリティというメガトレンドのテーマを研究できた収穫はとても大きなものでした。これは身に付けることができた、といえると思います。アールトという大学で、フィンランドという国で、という文脈はここでとても大事になります。

 

IDBM卒業後は何をするのか

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Väreの中

実は修士論文のアドバイザーとなってくれた先生が僕の修論をとても気に入ってくれ、「是非研究/仕事を共に続けたい」と誘われ、5月からフルタイムでアールト大学で働き始めております。業務の内容としては主に以下のことをやってます:

・その先生がディレクションしているPack-Ageという授業の助手業務
・Pack-Ageのコースのリブランディング
・サーキュラーエコノミーを意識したデザイン教育の新しい授業開発
・Climate Leadership Coalitionという組織での研究活動

アールト大学という研究に強い場でデザインを学ぶ側からファシリテートする側へ、そしてその舞台をデザインする側へとシフトできたことはかなり自然なことだと思います。といいつつ、まだまだ学び足りていないことが山のようにあるのも事実。アールト大学でのこの仕事をしつつ、さらに学びを深められるようにしたいですね。色々な巡り合わせに感謝🙏

2年間住んでいるうちに大好きになったフィンランドにも残ることができ、且つ、今度は働けることになるとは思ってもなかったです。先日振り込まれたフィンランドでの初めての給料に感動。

 

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また、フィンランドに来る前に大変お世話になっていた日本の会社ともリモート形式でお手伝いさせていただけることにもなりました。大学院で学んだことを最大限活かせるか、フルスイングで頑張りたい。 

 

当ブログももう少しだけ続きますので、お付き合いください🙇‍♂️

 

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IDBM卒業後、フィンランドでの仕事や生活の様子はツイッターでアップしていきます

修士論文のDefense終了🥳

2020年5月28日、良く晴れたヘルシンキの木曜日。無事に修士論文のプレゼンテーションのDefenseが完了しました。

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いつまでも明るいフィンランドの夜

アールト大学IDBMではビジネススクール、デザインスクール、エンジニアスクールから1/3ずつ学生が集まり、1年目は3つのグループ皆で授業を受講しますが、2年目は結構自由(というかバラバラ)です。2年目のメジャーなプロジェクトである修士論文は各スクール内においてそれぞれ進められます。

僕が所属しているデザインスクール(School of Arts, Design, and Architecture)では修士論文を書いて提出するだけでなく、プレゼンテーションする機会も設けられているのが特徴です。研究の成果を発表し、Evaluator(評価者)が批評を広げる場になります。

研究テーマが時代に沿っているのか。研究の問いが深く練られているか。研究の結果が新しい知識を生み出しているのか。メソッドがテーマに相応しいのか。メソッドを正しく活用できたのか。面白いのか。などなど、結構細かく見られます。Evaluatorからの批評的な指摘や質問にその場で答え、自分の修論をDefense(防衛)しなければいけません。アールト大学のデザインスクールはここらへんはかなりしっかりやっている印象です。この学校が割と高ランキングに入るのも素晴らしい教授陣とこういった伝統がちゃんと受け継がれ、出てくる研究成果の質が担保されているからなのかなーという気もします。

さて、今年はzoomでパブリックに公開されている形でオンライン形式で行われました。各発表者に与えられた時間は15分間。オーバーしそうになるとかなり容赦なく途中で切られている人もいました。僕の番では40名ほどが見てくれていました。

僕の発表後、Evaluatorからは概ね良い評価をもらえましたが、ツッコマれるだろうなーって思ってた部分はちゃんとしっかりツッコマれましたね。ただ、とても建設的な批評をもらえ、自分でも納得のいく評価だったと思います。

プレゼンの最後のスライドに連絡先を書き、「興味あったらメールちょうだい」ってプレゼンを締めくくったですが、終わったあと、3名の人から連絡をもらえたのが個人的には嬉しかったです。誰も連絡くれないだろうなと思ってただけに意外でした。

友人達や全然知らない人の修論の発表も見ましたが、皆それぞれ自分の興味を持っているエリアを軸に深掘りしていったテーマが特に面白かったです。逆にあまり面白くなかったのは「企業や組織からテーマをスポンサーされてやった」タイプ(全部ではないけど、多い、という意味で ※個人の勝手な主観)。やっぱり自分の信じることに向かって研究されたテーマって、端から聞いても特別に面白いなと実感します。

アールト大学のIDBMでの課程はこれで正式に終了になりますが、実は僕のアールトでの人生のチャプターはまだ少し続きます。

あ、ちゃんと卒業できますよ。多分。

Old Helsinki:一番始めのヘルシンキ

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近況の様子

先週無事に修士論文の提出を終え、今週はかなりまったりしながら残りの授業をオンラインで受講したり、プロジェクトを進めたりしました。さて、太陽が出るようになってきた最近、新緑や花が咲き始めたので、今日はヘルシンキという町の昔の歴史についてご紹介します。

 

Old Helsinki : 一番始めのヘルシンキ

僕が住んでいるのはヘルシンキ市でも少し北のKoskelaというエリアなのですが、実はここが一番最初にヘルシンキとして設立された場所なのです(ということを最近知ったのです)。この当時のOld Helsinkiの様子が今でも少しばかり見られるので、春の訪れと共に紹介したいと思います。

ちなみにここはそんなに観光名所でもないのでガイドブックにはほとんど載りません。住んでる人のみが知っているところ的な場所です。陶器で有名なArabiaファクトリーや、ハイキングに最適な沼地Lammasaariとも隣接しておりますが、観光ガイドブックで見たことはないですね。住んでるなら散歩にもピクニックにもとてもいい場所です。

 

位置的にはどこなのか

現在の"いわゆるヘルシンキ"はここらへんですね。あの白い大聖堂とか港とか観光名所が密集してるエリアです↓

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今のヘルシンキはここらへん

しかし、1550年に一番始めにヘルシンキが"設立”されたのはここ、ヴァンター川の河口付近のエリアだったのです↓

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一番始めのヘルシンキはここらへん

このエリアはVanha kaupunkiと言って、直訳すると「古い都市」になります。西暦1550年に当時のスウェーデンの国王グスタフ・ヴァーサにより、エストニアのタリン市(当時はRevalと呼ばれていた)との貿易を競うために作られました(当時のフィンランドスウェーデン支配下)。王の命令により、フィンランドに既に存在していたPorvoo市やRauma市からの住人が移り住み、600人ほどの人口で形成されたそうです。

後に現在のエリアにヘルシンキが移るのは1640年代になってから。ここでの貿易が期待したほど盛り上がらなかったのと、現在のヘルシンキの場所の方が半島が突き出している地形なので、船の離着岸などに便利だったためです。防衛にも有利だったんでしょうね。

 

📸どういう場所なのかを写真で紹介 📸

このOld Helsinkiですが、僕の自宅から徒歩10分で行けることもあって散歩にも良く通ります。やっと少しだけ暖かくなってきたところで花も咲き始め、天気も良い日が続いたので写真撮影してきました。

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Old Helsinkiに入っていきます

ここはもうすでにOld Helsinkiの一部です。チオノドグサが埋め尽くすブルーの丘が綺麗ですね。奥の建物は多分民家です。

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チオノドグサの丘

ちなみにチオノドグサの語尾の「グサ」って「草」じゃないんですね。英名でChionodoxaなので、「草」なわけないですね。(こう思っていたのは僕だけではないはず...っ!)

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道にもチオノドグサがうじゃうじゃ

チオノドグサって暑さには弱いんですかね。去年もこの花を見たんですが、5月の中旬になるとパタッといなくなりました。

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iPhoneが盛ってるとはいえ、綺麗

丘を上がるとベンチもあります。

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丘の上には当時(1550~1640)のこのエリアのレイアウトを説明する石碑もあります。

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町のレイアウトが刻まれている石碑

ヘルシンキ市はグスタフ・ヴァーサによって1550年にここに建てられた」と書いてあります↓

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Tälle paikalle perusti Kustaa Vaasa helsingin kaupungin v.1550

ベンチに座ると小鳥の囀りが聞こえたり、すぐ隣を流れるヴァンター川の音も聞こえます。

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ベンチから見た景色

丘を下ると、ヘルシンキで一番古かった教会の跡地があります。十字形に跡が残っていますね。教会の床下は墓地としても機能していたらしく、考古学者達の発掘によって約150ほどのお墓が見つかったそうです。

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ヘルシンキで1番始めの教会と墓地の跡地

 案内看板には当時こんな感じだっただろうと思われるイラストもありました。急な角度の屋根に加え、ログの壁に小さな窓があっただろうとのことです。

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こんな感じだったそうです(説明看板より)

この教会の跡地はこのように林に囲まれているんですが、林の中へ通じる緑道もあるので、その中に入っていきます。

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背の高い木と、中くらいの木がバランス良く共生

林を抜けると、Old Helsinkiの町が広がっていたであろうエリアに出ます。木がないので、ここらへんに町の中心部があったのかなーと想像が膨らみますね。今はガーデニングのための敷地や、市民公園として利用されています。

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Old Helsinkiの跡地はガーデニングや公園エリアとして利用

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馬もいます

エリアの外れまで歩くと当時の生活の様子を説明する看板もあります。

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Old Helsinki の案内板

この看板が立っているのは町役場があった跡地です。

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町役場があった場所

町役場があったことを説明してくれてます

このエリアには昔からの建物がそのまま残っているのか(まさか16世紀のではないと思うが)明らかに周囲の建物とは様式が異なっています。下の写真のように農家の納屋みたいな家が並んでいるので目を引きます↓

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日本人的な感覚で言うと古民家のようなイメージ

さて、このエリアの道の反対側はヴァンター川の河口になります。ここにはVoimal museoという、発電博物館があります。ここは実際にヴァンター川を利用した水力発電所があり、昨年末まで稼働していました(2019年末で終了)。今はもう発電能力はなく、博物館としてのみ、夏季のみ営業しています。

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道をわたると水力発電博物館があります

ヴァンター川の河口のところに建っているので、稼働していた当時のまんまの構造が残っています。使われていた実際のタービンなども屋外に展示されています。

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タービンの屋外展示

ダム部分も間近で見れます。

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ダム部分

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正面から見たダム

少し離れると技術博物館なる建物が3つ4つほどあります。入ったことはありませんが、マニアには楽しいと、どこかに書いてありました。 

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技術博物館

ヴァンター川はこのように湾に出ます。奥に見える橋はMatinkaari橋といって、1998年に開通したものです。この湾の入り口には写真にも見える通り、釣り人で賑わっています。でも釣れてそうな人はいなかったですね。

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奥に見える橋はMatinkaari橋といって1998年に開通

この奥にはハイキングにとても良いLammasaariという沼地があります。全季節オススメできるハイキングコースです。

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あの奥がLammasaariという沼地的なハイキングコース

まとめ

以上、Old Helsinki :一番始めのヘルシンキ の紹介でした。1文にまとめると、ヘルシンキっていう町は始めは全然違う場所にあったということですかね。

 

春の訪れの様子

これを書いている今日は5月の1日なのですが、まだ普通に寒いです。つい先週まで雪も降ってましたし。まだコート、手袋、帽子がないと外は歩けないですね。

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4月でも雪ふります

散歩で楽しいのはこういう景色がいつも見られるところですかね。どの季節でも美しい自然現象が見れる国だと思います。

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燃えるような夕焼けのグラデーション

そして夜にはウサギにもたくさん出会います。

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毎晩出会うウサギのファミリー

皆で創った Living in Finland : Complete Manual

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2019年の夏至近くに行ったVaasaにて

これは今年度のPeriod 2に取ったVisual Narratives in Designという授業での話です。この授業はStorytellingの一つの要素としてビジュアルを様々な形で用いることを総合的に学べる授業でした。この日はZineという個人誌をみんなで作るワークショップがあり、それの記録です。

 

Zineとは

Magazine の zine (ズィーン)に由来します。自分の趣味や好きなことを好きに書いたり、雑誌を切り貼りしたりする「個人による個人のための雑誌」です。完全自己満足で製作されます。日本でも数年前から密かに流行していたみたいですね。同人誌の文化もあるくらいだから理解され易いかもです。

 

皆で作り合うZine

さて、この日はこのZineを皆で作るという面白いワークショップがありました。作り方はとても簡単。A3のコピー用紙を8つに折り、真ん中の2部分に切り込みをいれ、8面の冊子ができあがります。

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A3コピー用紙を8つに折って作ります

皆で作る

通常はZineは個人の自己満足で自分で作るみたいですが、このワークショップでは皆で作る、という点が強調されました。なんでそんなことをするのか、忘れました

 

ルール

ワークショップではいくつかのルールがありました。

  • 表紙と1ページ目だけ自分が書き、何も言わずに別の誰かに渡す
  • 渡された人は、その内容を汲み取って、続きを1ページ書き足す
  • 終わったらまた別の誰かに渡す
  • それを冊子が終わるまで繰り返す
  • 口頭でのコミュニケーションは禁止

 

僕が作ったZine

僕のZineのテーマを何にしようかと考え、かねてよりぼんやりかんがえていた「フィンランドでの暮らし」について始めることにしました。このクラスにはフィンランド人、外国人合わせて20人ほどがいたので、良いミックスだったと思います。

タイトルは「Living in Finland : Complete Manual」です。イラストにウサギのキャラを起用してみました。

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表紙

なんでウサギにしたかは、2019年の夏至近くにVaasaの友人宅に行ったときに見かけたウサギが可愛かったからです。また、このウサギのキャラを次の人が引き継いでくれるか、試してみたかったからです。

IDBM

Vaasaで見かけたウサギが可愛かった

 

 1ページ目

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P.1

1ページ目の出だしは僕が書きました。「バス停で待つ際は十分なスペースを空けて並べ

これはフィンランドでの有名なあるあるジョークでもあり、ガチでリアルでもあります。フィンランド人はPersonal Spaceがとても大事です。

 

2ページ目

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P.2

そして2ページ目は別の誰かが書いてくれました。Silence is golden →「沈黙は金

フィンランドではあまりベラベラ喋らない文化です。どことなく日本人に通じている所があるようですね。アメリカで行われるようなSmall Talkはかなり毛嫌いされます。

これを書いてくれた人、ちゃんとフィンランドでの生活ルールという内容を汲み取り、イラストもしっかり引き継いでくれ、ウサギファミリーまで書いてくれてました🐰ミッフィーのような口もいいですね。真ん中のウサギがPulla(フィンランド名物シナモンロール)を持ってます。こういう細かなディテールも盛り込んでくれたのが素晴らしい。

 

3ページ目

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P.3

3ページ目は Use the zebra when crossing the street →「横断歩道の縞々で渡れ

確かに、ここの人は割と横断歩道(そしてさらには信号も)ちゃんと守っていますね。イラストのアングルが上からの鳥瞰図なのがナイスです。タイポグラフィも横断歩道の角度に沿ってレイアウトしてくれました。ウサギの耳とヒゲもちゃんとわかります。

 

4ページ目

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P.4

4ページ目は Queue everywhere, even if there's no need →「何でもなくても列に並べ

これもアルアルです。皆ちゃんと並びます、色々。

 

5ページ目

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P.5

5ページ目は If there's free buckets on display, you better get one! →「無料のバケツはとりあえずもらっておけ

これは若干わかりにくいフィンランドジョークで、僕もこれで始めて知りました。以前、フィンランド国内のどこかでスーパーが新規オープンした際に入場者に記念としてバケツを配ったそうです。これが今では半分ジョーク、半分伝統、みたいになっているようで、「新規開店の際はバケツを配る」のが定着(?)したみたいです。

 

6ページ目

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P.6

6ページ目は Sauna is Holy →「サウナは神聖

出ました。もちろんですね。サウナの様子を物理的なサウナを極力書かずしてうまく表現できています。必要最小限でサウナを描写。うまいですね、この人。

 

裏表紙

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裏表紙

そして裏表紙。最後を良い感じにオチができるか、締めくくれるか、がキーとなります。

この人が書いてくれたのは Most Importantly - Be happy! We are the happiest bunnies in the world →「最も重要なのは幸せでいること!我々は世界で一番幸せなウサギ達なのだから

とてもいい感じに締めくくってくれましたが、実はかなり奥が深いなと思いました。

文字は「幸せでいよう」と書いてありながら、イラストが一人で寂しそうにポツンと座ってるウサギ。顔の表情もそんなに幸せそうには見えません。むしろかなり不機嫌、unhappyにも見えます。皮肉なのか、これはとても的を得ているなと感じました。書いてくれたのはフィンランド人でしょうか。

フィンランドは世界で最も幸福度が高い国の一つ、と言われていますが、現地に住んでみれば、現地の人はそこまでそう思ってないことがわかります。これを書いている今日もフィランドが2020年幸福度が最も高い国1位に選ばれていました。

フィンランド人が実際に幸福かどうかは別途記事を書こうと思いますが、幸福とかいいながらここの国の人は大体ブスッとしてます。決して機嫌が悪いわけではなく、デフォルトとして。少なくとも一般的に思い浮かばれるパラダイスではないことだけは確かに言えると思います。

見事に幸福という外からのプロジェクションと実際の姿の並列を表現して完結してくれました。

 

まとめ

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このZineの共同製作のワークショップ、みんなの冊子の完成度が高く、想像以上に盛り上がりました。正直、僕の冊子も皆ちゃんと書いてくれるとは期待していなかったです。皆それぞれ独特のテーマでZineを始めてたのも見て感心しました。

アウトプットが全く予想できないところも醍醐味です。「喋ってはいけない」など良い意味での混沌が楽しさを倍増させてくれました。いつかワークショップをファシリテーションする際にやってみようかな。アイスブレーカー以上に打ち解けられます。

フィンランドの暮らしのアルアル小冊子、これからも続けてみたいと思います。

ATTRACT EU×ESADE×Aaltoの宣伝動画インタビューに登場しました

あけましておめでとうございます。2020年、初の投稿です。
気がつけば2010年代のdecadeが変わってから3月の1週目が過ぎておりました。

こんなにもブログの更新が遅れていた理由はまたしても、ブレグジットで忙殺されていたからでございます。大変申し訳ありません。しかし正式にブレグジットが決定した今、当ブログもまた落ち着いて記事を書いていけそうです。

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1月に訪れたスペイン・アンダルシア州のマラガの夕暮れ。海の向こうはジブラルタル海峡

2020年IDBMでの活動

さて、アールト大学IDBMでの2年目も後半戦です。ラスト4分の1という感じですね。IDBMのMajorの必須授業・及び選択科目はほぼ全て履修を終え、現在は修士論文を粛々と書いている感じです。また、昨年から続けているATTRACT EUのプロジェクトも絶賛継続中です。

 

ATTRACT EU のインタビュー動画に登場しました

さて、この間ATTRACT本体からアールト大学に研究者がわんさか視察に来てました。その視察の一貫で、ATTRACTでの我々のプロジェクトについてインタビューを受ける機会がありました。ESADEというスペインのビジネススクールもATTRACTに加入しているようで(知りませんでした)、ESADEとアールト大学の取り組みを紹介する動画です。以下が完成してアップロードされていた動画です。

 

 

この動画で僕が登場するシーンで僕は:

 

「デザイン視点での重要な貢献をプロジェクトに持ち込めることで、キャリアの助けになると思います」

 

「2人のデザイナー、2人のエンジニア、2人のビジネスパーソンから成り立っています。異なるバックグラウンドと専門性を持ち寄っているので、確実に領域を横断したチームです」

 

って言っていまして。


お前なに当たり前のことを言っているの?という感じなのですが、本当は:

「Multidisciplinaryのチームで取り組み、プロジェクトの流れの中で様々なポイントでデザインの価値で寄与し、プロダクトメイキングではエンジニアと高速で簡易モックアップを製作し、ビジネスサイドのチームメイトと業界への適用を考え、そのサイクルを何回も回して進められるところがとても面白い。プロジェクトを提供してくれているロッテルダムの会社もとても親身になって共にやってくれているので助かっている。」ということを5分程かけて熱弁したんですが、一番重要なところをバサッと切り取られてしまいました。音声もとてもうまく切り貼りされてしまいました。

すごいですね、編集。

動画の最後は「ATTRACT は面白いよ!」というようなことを僕が楽しそうに言って締めくくられているんですが、この部分も3回ほど撮り直しています。なんというフェイクスマイル。

 

インタビューの動画を使ってくれた事は嬉しいですが、その内容が自分の思った通りに反映されるのは難しいですね。特にこのように何人も登場する場合、「尺が長すぎて〜」とクリッピングされてしまうものだと実感しました。

僕自身もデザインの調査活動のためにインタビューを良くしますが、論文等にまとめ、編集する際に無意識にcherry pickingしていないか(していないと思いたい)、回答者の意図を100%正確に汲み取れているのか、改めて気をつけないといけないなと強く感じる出来事でした。

 

ESADEではどういうスケジュールで進行しているのかわかりませんが、アールト大学ではDesign Factoryが主催するPDP(Product Development Project)という授業の進行に合わせて進行しています。5月にはPDP Galaという形で発表イベントがあります。

修士論文の完成と並行し、このプロジェクトも最後まで楽しんで取り組みたいですね。

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マラガからバスで1時間ほどにあるミハスという町。丘を埋める白い建物が印象的。

全くの余談ですが、1月に訪れたマラガとミハスはバルセロナ等に比べ、観光客がまだそこまで沢山いなく、落ち着いて楽しめる町でした。マラガの地面(タイルにしてもアスファルトにしても)がやけに綺麗だったのが心に残っています。美味しいタパスバーもびっくりするくらい安く、オススメできる町です。

JUNCTION 2019でカテゴリー優勝🎉

先週末は、Junctionというハッカソンに参加してきました。

JUNCTIONとは

Junctionとは2015年にヘルシンキで始まったハッカソンです。当時は規模も小さかったようですが今では日本を含む10以上の国で開催されています。今年のヘルシンキ大会はアールト大学のVäreで行われ、1,500人のハッカー達が参加しました。

そして友人が招待してくれたチームで参加し、QOCO Systems が主催するSmooth Travelsカテゴリーで優勝しました🎉🎉🎉

(後ほど聞いたところ、このカテゴリーに挑戦してたのは19チームいたそうです)

チームはプログラミング担当3人、ビジネスサイド担当1人、そしてUI/UXデザイン担当の僕で挑みました。

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JUNCTION 2019 カテゴリ優勝 チームの皆と

僕たちのチームのチャレンジ

僕たちのチームが取り組んだチャレンジは、預け荷物に関わる空の旅の顧客体験を改善するという課題でした。

賑やかな会場で着席した後、超高速でダブルダイアモンド思考法の1つ目を実施し、このハッカソンでフォーカスする課題を炙り出しました。

飛行機に関わる旅行で気になる大きな問題はやはり預け荷物。乗り換えがある場合はもちろん、無事に目的地に着いたのかどうか、荷物回収エリアで待ってる時の不安がどうしてもあります。預け荷物がどこかでなくなった場合、その事実を知れるのがベルトコンベアで待っていて乗客の全ての荷物が出切った後、という点にも注目しました。我々のチームのソリューションはスマホ+NFCチップを利用し、ほぼリアルタイムで預け荷物のステータスを確認できるFinnairのスマホアプリ向けのアドオン、というものでした。このソリューションは航空会社側もそのシステムに投資していて、多くの乗客が当システムを使うことが前提とはなりますが、預け荷物を搬入する航空会社側も作業が効率的になるメリットもあります。

↓の動画は最終的に完成したプロトタイプ。実際にNFCチップを読みとり、自分のアプリと荷物をペアリングする、という機能が動くところまで作りました。

結果発表

イベントは金曜日の夕方から始まり、土曜日は徹夜で作業、そして日曜の朝10時に全て提出。久しぶりに徹夜しました。しかし勝つことよりも重要なことはイベントを皆で楽しむこと。結構本気で楽しみながら作りました。

実は、審査員へのピッチを終えた後、勝てると思ったなかった我々は結果発表の前に帰宅しちゃったのです。そして午後、審査員陣からチームメートに「あれ、君たち何処行ったの?優勝したんだけど賞金いらないの?」という電話があり、皆で驚きました。今週の金曜日に実際にQOCO Sytemsで会社全体にプレゼンしてくれとも頼まれました。ありがたいですね。

まとめ

 

今回のハッカソンで課題を提供してくれたQOCO Systems、そしてイベントを素晴らしいものにしてくれたボランティアの皆さんに何よりも感謝です。

個人的には久しぶりにスマホアプリのUI/UXやったんですが、プログラマーと高速でソフトウェア作る楽しさも思い出しました。また機会があればJUNCTIONにも参加したいですね。 

 

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IDBM卒業後、フィンランドでの仕事や生活の様子はツイッターでアップしていきます

ATTRACT-EUに参加 / ロッテルダムへの研修

 

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今年はEUのプロジェクトである「ATTRACT-EU」に参加しています。こちらはIDBMのカリキュラムとは全く関係のないプロジェクトなのですが、去年Industry Projectで一緒だったチームメートが誘ってくれ、ありがたく参加させてもらっています。チームは毎度お馴染みのtransdisciplinaryでビジネス学生2人、エンジニア2人、そして僕を含むデザイナー2人で構成されています。お互い知っている者同士で組んでいるため、何かと物事が進みやすいです。

ATTRACT-EUとは何なのか

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欧州連合が主催しているプロジェクトです。ATTRACT-EUのホームページには以下のように書いてあります:

ヨーロッパのGoogleAmazonがないのは何故でしょうか?スウェーデンSpotifyなど、ヨーロッパで人気の新興企業がシリコンバレーに移転したのは何故でしょうか?それは素晴らしい技術や画期的な科学の不足のためではありません。有望なベンチャーがグローバル市場に拡大するメカニズムが機能していないからです。

人々の生活に影響を与えるイノベーションにつながる多くのテクノロジーは、基礎的な研究から生まれています。 ATTRACTは、ヨーロッパの基礎研究と産業コミュニティを結び付け、次世代のDetection / Imaging Technologyをリードする先駆的なイニシアチブです。

目的は、人々の雇用と繁栄のエンジンとなりうる、まったく新しいヨーロッパのオープンイノベーションモデルを作成することです。

欧州連合のHorizo​​n 2020プログラムによって資金提供されたこのプロジェクトは、製品、サービス、企業、雇用を創出することにより、欧州経済の改革と人々の生活の改善を支援することを目的としています。

(About ATTRACTより翻訳/要約)

 

まとめると、新しい技術を持った様々なスタートアップをファイナンスし、研究機関や学校なども巻き込んでヨーロッパにおけるエコシステムを盛り上げようというのが趣旨です。

 

アールト大学と何の関係があるのか

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アールト大学はコンソーシアムパートナー組織の一つに認定されています。アールト大学の施設の一つであるDesign Factoryを通し、学生チームにプロジェクト参加を促しています。学生に公開されているわけではなく、Design Factoryのスタッフが個人的に知っている学生を見つけて話をふっかけている印象でした。

アールト大学は人間中心に捉えることがとても得意なので、技術よりのスタートアップとのタッグはとても相性が良い組み合わせだと思います。

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概念図。多分こんな感じです

Skyechoという企業とのプロジェクト

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僕らが参加している企業はSkyechoというオランダのスタートアップです。Skyechoは高解像度の雨レーダーを開発し、都市へ応用しています(実際のレーダーがロッテルダムで動いています)。世界中の気象予報機関が使っているレーダーのおよそ100倍近い精度で、且つ半径5kmの範囲において、現在〜2時間後の正確な予測が可能なようです。この雨の情報を使って都市の気候に対する弾力性を高める、というのが我々へのチャレンジです。どういうユースケースがあるか?どういうビジネスモデルを生めそうか?都市エリアに住む人々に対して気候の意識を高められるか?などがこのプロジェクトでの我々のミッションです。

 

で、なぜ僕がこのSkyechoとのプロジェクトに参加したのか

個人的に今年の夏に台風や大雨が日本列島を数多く襲ったのは記憶に新しいです。これはなにも今年に限ったことではなく、毎年見ている気がします(正確に計ったわけではありませんが感覚値として)。

 そしてタイムリーなことに9月にGoldman Sachsが「気候変動に対する都市の弾力性」(TAKING THE HEAT : Making cities resilient to climate change)という34ページのレポートを発表しています。内容は以下の通り:

  • 気候変動の規模やタイミングは不明瞭であるものの、そのリスクは大きい
  • より高い気温、より頻繁で強い嵐、農業への影響、食料と水の不足などは脅威
  • その中でも世界のGDPの8割、人口の5割を担う都市への影響は大きい
  • これからのフォーカスは気候変動の抑制ではなく、適応(=adaptation)になる
  • 都市が気候変動に適応する資金を捻出するために革新的なファイナンシング方法が必要になる
  • 限られたリソースの配分において公平性の問題が出てくる(多分フェアではなくなる

あまりハッピーな論文ではないですが読む価値があると思います。ちなみに上記レポートではニューヨークも東京も海面上昇、及び嵐による高潮によって洪水・浸水するリスクが記載されています。近年の台風や大雨の影響を見ている限り、なるほどと思える情報です。 

これからの地球環境と2040年の未来の地球を予測すると、気候変動への対応というテーマは大変興味深いと思いました。ATTRACT-EU、そしてSkyechoとのプロジェクトを通して、気候変動への対応にもっと詳しくことは自身にとって大きな価値になると考えました。都市やビジネスへのマクロ的影響だけではなく、個人のサバイバルのミクロ的問題として捉えることもできると感じます。

 

ロッテルダムへの研修旅行

さて10月の中旬、僕らのチームはSkyechoとワークショップを行うためロッテルダムに旅立ちました。この旅の費用も全てEUの予算から出ています。授業にプロジェクトに、色々な所に行かせてもらえてありがたいです🙏

ロッテルダムではSkyechoの創業チームと直接会って話を聞き、そして一緒にワークショップを開催しました。短時間でたくさんのアイデアを出しプロトタイプまで作って検証してみる、というRapid Prototype Sessionです。プロトタイプに必要な小さな電気道具などを持って行き、最終的に一つ動くものが作れました。創業者が我々の出したアイデアをかなり気に入ってくれ、早速ロッテルダム市のステークホルダーにも話に行ったそうです(早い。。)。

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ロッテルダム到着

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Skyechoが入居するコワーキングスペースCIC

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200を超えるスタートアップが8,000平米のスペースに入居

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とても広くお洒落なワーキングスペース

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Skyechoと共にワークショップする我々

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1つのアイデアのプロトタイプを制作中

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真剣です

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Arduinoと段ボール、針金、モーターを使ってプロタイプが完成!(実際のブツはここで公開できないことをご容赦くださいm(__)m)

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夕方はVenture Cafeというイベントに突入して我々のアイデアを紹介

 

アムステルダムも観光

ロッテルダムで2日間の研修の後は3日ほどみんなでアムステルダムに泊まりました。こちらは完全に観光目的です。

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RIJKS美術館。期待してた「I AMSTERDAM」のサインは撤去されてました。観光客がクレイジーすぎたことが原因のようです。残念。。

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ハイネケン・エクスペリエンス博物館も見物しました。

AR技術や面白いアトラクションをとてもうまく活用した興味深い博物館です。入る価値あります。

アムステルダムではかなり自由に観光でき、秋を楽しみました。インテンシブな1週間でしたがとても内容が濃く、さらには面白いワークショップを行えたのは幸運でした。当プロジェクトは今年度の1年(来年の5月まで)続くので、これからも定期的にアップデートしていけたらと思います。 

 

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IDBM卒業後、フィンランドでの仕事や生活の様子はツイッターでアップしていきます

フィンランドの秋の紅葉

10月も終わりに近づき、ヘルシンキはもうすっかり冬モードに入りました。Brexitが10月末に起こるのか起こらないのかで忙殺されていた僕は当ブログの更新もすっかり後手に回ってしまっておりました。申し訳ありません。気持ちを持ち直して投稿をがんばっていきたいと思います。

2019年秋の感想

さて、今年は去年に比べて雨の多い秋だなと感じました。9月+10月で晴天の日がいくつあったか、曇り/雨の日の方が圧倒的に多かった印象ですね。

2週間ほど前の週末、空が青く、紅葉が綺麗だった日があったので秋を楽しみに家の周りや市内を散歩しに行きました。

僕はヘルシンキで良く散歩をするのですが、広々とした道と新鮮な空気、そしてすぐ身近にある大自然を楽しめるのは大変ありがたいです。幼少期を過ごした米国ニューイングランド地方も紅葉がすごかった記憶がありますが、ヘルシンキで見れる紅葉も中々の見ものです。意識して見ているからですかね。今日のエントリーはヘルシンキで見れる紅葉の写真をベタベタと貼っていきます。

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一面黄色の絨毯の様です

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なんの木でしょうか

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落ち葉のグラデーションが綺麗ですね

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こちらはArabiaの近くの公園です

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この建物はAnnalan Huvilaというちょっとしたイベント会場です

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Lammasaariという沼地のハイキングコースです

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沼地の中はこんなボードウォークになっています

 

秋は一瞬で過ぎてしまいましたが、冬もまた楽しみですね。授業やプロジェクト、修論の進捗なども順次アップデートしていきたいと思います。それでは秋の残りを十分楽しみましょう🍁

デザイン史を知ってフィンランドを3倍楽しもう

9月に突入し、IDBMでの2年目がスタートしました。夏休み中は当ブログもSummer Vacationしてましたが、旅に出かけまくったり、修論のためのテーマ探しをしまくったり、友人や家族も遊びに来てくれたりしました。

ゲストが来る時は主にヘルシンキ市内を案内しますが、観光名所を周っても大体は「ふーん」で終わってしまうので、フィンランドのデザイン史とセットで説明を付け加えます。僕の適当なツアーにしては意外とわかりやすいとなかなか好評だったので、去年受けた授業の一つ「Design and Culture」で書いたエッセイから少し内容を引用し、記録しておきたいと思います。フィンランドのデザイン史を少しわかれば観光も一味違った視点で見れ、3倍は面白くなるはずです。

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初期のムーミン人形 - 国立歴史博物館にて撮影

 

フィンランドのデザイン文化とは?

フィンランドと言えばマリメッコイッタラー、ムーミン…!デザインは素敵だよね!」 - これは僕がアールト大学に留学する旨を友人に伝えた時の実際の反応でした。そしてこの友人は間違っていません。この国のデザインは美しく、ユニークで、民主的で、機能的。ブランドは真に独創的な作品を制作し、そのどれもが「フィンランド感」を連想させます。ここで食器を買うのは良い気分です。Walmartでメーカー不明のお皿を購入するより、イッタラーで買う方が断然気持ちいいです。マリメッコで30ユーロの折りたたみ傘をお土産として買うとき、僕は傘ではなく、フィンランドのイメージを買っているのです。そしてこれらは歴史的文脈で戦略的に仕組まれたという事実があり、今日まで続いているのです。僕はこれ自体が悪いことではないと主張しますが、フィンランドのデザインの未来について興味深い議論を引き起こすので、その背後にある歴史を知ることはとても重要です。フィンランドはどのようにこのイメージとデザイン文化を構築したのでしょうか?歴史はそれと何の関係があるのでしょうか?デザインの新しい方向性はどこにあるのでしょうか?これらは、このエッセイで探る問いです。

IDBM

Kaj Franckのグラス作品 - Design Museumにて撮影

 

歴史はフィンランドのデザイン文化と何の関係があるのでしょうか?

フィンランドの歴史についての全てが、デザイン文化に関係しています。デザイン文化を歴史的に形作った主なものが一つあります。それは、スウェーデンとロシアの支配から何世紀にもわたって人々に蓄積してきた、国民的アイデンティティを構築するという欲求です。1917年に独立した後、そして特に第二次世界大戦が終了した後、フィンランドにとっては絶望の時代でありました。依然としてソビエトの侵略の恐怖にさらされている間、「フィンランドは一つの国である」という事実を世界に示すことを必要としていました。したがって、1951年のミラノトリエンナーレ(著名なイタリアの美術展覧会)でのフィンランド陣営の成功は、国家と市民にとっての希望、誇り、そして勝利の証となりました。しかし、この勝利は単なる偶然ではありませんでした。外の世界からどのように見られるかを導いたのは、緻密な工作とマーケティング活動の結果だったのです。

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Angry Birds はフィンランドの会社Rovioが作ったもの(結構長い間アメリカ製だと勘違いしていた。。)

 

フィンランドはどのようにこのイメージとデザイン文化を構築したのでしょうか?

1つ目に、Alvar Aalto、Tapio Wirkkala、Armi Ratiaなど、「フィンランド独自」として世界に誇れる多くの才能をタイムリーに持つことができて非常に幸運でした。(※他にも沢山いますが長すぎるので割愛)

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Armi Ratia(マリメッコ創業者)

さらに、成功の背後にはマーケティングの首謀者として行動したHerman Gummerusの努力を忘れてはなりません。彼らは一緒になってフィンランドを独創的な国として見せるために展覧会をひそかに作り上げました。Gummerusはユニークさを示すため、展示に含める作品を注意深く選択しました。絵画など、外国の影響を遠隔的に示唆したものは除外されました。"見え方"を制御するマーケティング努力は、フィンランドのデザイン文化のイメージを構築する上でとても重要だったのです。

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Design Museumの常設展にある、アーティスト活躍の時代別年表。1950,60年代が注目の世代です。

2つ目に、この国のデザイナーが作品に統合したユニークなものの1つが「自然」です。自然というテーマはすべてのアーティストの作品中で一貫しています。Aaltoと木、Kaj Franckとその自然な形と素材、Wirkkalaと氷と水からのインスピレーション...リストは永遠に続きます。自然は風景の中に豊富にあるため、デザイナーの多くが自然を密接に感じるのも不思議ではありません。他の国が展示されていないように、フィンランドのデザインは自然と同義語になったのです。 

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Wirkkalaのコレクション - Ultima Thuleフィンランドの氷がインスピレーションの元です。

 

フィンランドのデザイン文化に問題はあるのでしょうか?

今日に至るまで、フィンランドは過去の成功に大きく恩恵を受けています。僕の友人が「デザインが美しい国!」と言っているのは、デザインを通してどのようにアイデンティティを構築したかを示す現実的な表現です。私自身、外国人としてこの国のデザインの明快な"ステレオタイプ"は好きです。 イッタラーとマリメッコフィンランドのデザインの典型的な代表であることに、安心感があるくらいです。しかしここに潜む問題は、あとどれくらいの間このステレオタイプを維持できるかということです。国民的アイデンティティを構築することは一つのことでしたが、それを絶えず変化する世界と社会に関連させ続けることは別です。Design and Cultureの授業で現地出身の同級生との個人的な会話で、彼女がこのステレオタイプが国際社会にもたらす決まり文句に「退屈している」と言っていたのには驚きでした。

ヘルシンキの学者Minna Ruckenstein氏は、フィンランドのデザインの将来の可能性についての議論で、Gollaと呼ばれるヘルシンキに拠点を置くカバンメーカーについて説明しています。「Gollaはフィンランドデザインの伝統から意識的に距離を置いている」と述べています。また、「フィンランドの伝統的なデザインは、"私たち"と"彼ら"の区別を生み出した。デザイン製品は帰属意識を生み出し、その意味を理解していない人々を排除するようになった」と語っています。興味深いのは、フィンランドのデザインが国民的アイデンティティを作る、という目的を果たしたものの、それが逆に外との境界線を明確化するようになったことです。しかし、これはこの国の長い苦労の歴史が人々のプライドとアイデンティティの欲求を築き上げたため、避けられないのではないでしょうか。

フィンランドのデザインはどこに向かうのでしょうか?

では、この国のデザインにはどのような新しい可能性があるのでしょうか?現在の文化を大切にすると同時に、変化する社会、特にサステナビリティに適応する可能性があると僕は思います。フィンランドとその国民には素晴らしい文化があり、持続可能性に対する意識は驚くべきものです。環境問題には常に国際的リーダーシップを取り、それをデザイン文化に取り入れることは、フィンランドが将来のグローバルコミュニティでリードできると得意エリアの一つです。素材のリサイクルに対する国民の態度も文化の大きな財産です。フィンランド(およびアールト大学)に来る前は、プラスチック製のごみ箱を提供するごみ収集エリアを見たことはありませんでした。ヘルシンキ市によると、PVC(No.3と表示)を除くすべてのプラスチック製品は国内でリサイクルできます。これらはほんの小さな例ですが、フィンランドの将来のために素晴らしいデザイン文化に社会問題を組み込む方法の可能性を示しています。

 

まとめ

要約すると、フィンランドのデザインは、国が誇りに思うことができる、そして誇りに思うべきものであると結論付けます。何世紀にもわたる抑圧は、アイデンティティに対する人々の欲求を築き上げたものであり、Wirkkalaのような才能あるアーティストのタイムリーな登場とGummerusによるマーケティングの努力が、この国とそのデザインに世界でのポジショニングを勝ち取りました。まだ過去の成功に恩恵を受けているかもしれませんが、フィンランドが守るべきユニークな文化資産です。持続可能性に対する国民の態度と意識が非常に高いので、将来の方向性はこの貴重なデザイン文化を維持し、持続可能性の問題をリードすることにより、さらに発展させることに未来があるのではないでしょうか。

 

参考文献

  • Davies, Kevin. “A geographical notion turned into an artistic reality.” Journal of Design History. 15.2 (2002)
  • Kalha, Harri. “Myths and Mysteries of Finnish Design.” Scandinavian Journal of Design History. (2002).
  • Ruckenstein, Minna. “The Changing Value of Design.” Boundless Design. (2011).
  • Smeds, Kerstin. “A paradise called Finland.” Scandinavian Journal of Design History. (1996).

 

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IDBM卒業後、フィンランドでの仕事や生活の様子はツイッターでアップしていきます

アールト大学IDBM1年目を振り返って

昨日、Design Researchという授業が終わり、アールト大学IDBMでのYear 1が正式に終了しました。長かったようであっという間にすぎた9ヶ月。これを機会に一度立ち止まり、1年目を振り返ってみたいと思います。

IDBM

ヘルシンキ市役所のロビーで存在感を放つ、市のブランディングの立体表現。かっこいいですね。

学んだと思えること

● ハードスキルが少し増えた

当初目的としていたビジネスの授業をelectiveとして多く受講できたので、いわゆる単純知識が増えた。デザイン活動に生かすための引き出しとしても蓄積ができたのは正直にポジティブな結果です。2年目さらに多くのelectiveが取れます。

● ソフトスキルが少し増えた

元来プロジェクトにおいて人に任せるのが下手な体質の僕は、なんでも自分でやりがち。しかしIndustry Projectでは人に任せるべきものは任せ、自分ができるものは自分がやるということを心がけました。聡明で機知に富んだチームメイトがいたのも助かりました。多国籍、異分野間で行うプロジェクトでチームの結束を高める活動もできたのは良かったと思います。

● 視点が広がった

嫌でもこれは行われます。様々な人と交じり合うなかで生活し学べたので、意識せずとも視点が増えたことが自分の中でもはっきりとわかりました。何か一つの事象を脳内にインプットした瞬間、複数台のカメラがぐるっとそれを取り囲むイメージです。取り入れた情報を自分が1次元的にしか見ていないか、注意するようになったと思います。これはさらに継続的にやっていく必要があります。

● コンフォートゾーンから踏み出す姿勢が強まった

ヘルシンキのSörnainenから徒歩15分ほどの所にSompa Saunaという公共サウナがあります。管理はボランティアのみんなで行われて、誰でも無料で使える、とても素敵なサウナです。海のすぐ横にあるのですが、3月のまだ氷が海上を漂う中、友人2人とこのSompa Sauna にいきました。サウナで十分に温まった後、氷の張った海の中に飛び込むというのをついに僕もやりました。現地の人は「これは健康に良い」と言っているのですが、僕からしたら「なんでこんなことするの?」。。まさしく物理的にコンフォートゾーンから踏み出すことを体現。ちなみに上半身は割と平気だったのですが、足のつま先が本当に凍てつき、それが耐えられずに5秒で這い上がりました。隣で平然と泳いでいたフィンランド人とはやはり体の作りが違うのでした。

サステナビリティへの意識

どこにいってもサステナビリティに対する関心の高さには驚きました。日本語で「もったいない」という独特の表現があるように、フィンランドでも物を大切に扱い、無駄を省く努力が行われていることに驚きました。学校に在籍しているからかもしれませんが、サステナビリティに関する意識はむしろ日本より高いかもしれないと感じました。サステナビリティが環境への配慮だけに止まらず、新たなビジネスチャンスとして特に欧州で注目を浴びているのが実感できるほど、サステナビリティ関連の会社やビジネスと触れ合うことができたのは大きな収穫でした。

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タンペレ市の小高い丘の上から

IDBMのプログラムについての感想

結論から言うと、アールト大学のIDBMはプログラムとしてはまだ発展途上だと実感しました。切り口は素晴らしく、タイムリーな教育指針であることには間違いないと確信していますが、それぞれ授業の構成とその結び方に大きな改善余地があることも否めません。ちなみに「今年の」1年目のIDBM全員の必須授業構成は以下の形です。(デザインの学院生はまた別途必須がいくつかあり)

  • IDBM Challenge(領域横断の混沌へのウェルカム)
  • Corporate Entrepreneurship and Design(デザイン枠)
  • Business Model Design(ビジネス枠)
  • Networked Partnering and Product Innovation(テクノロジー枠)
  • Industry Project (領域横断でリアルプロジェクトに立ち向かう) 
  • Capstone Global Virtual Teamwork

ツッコミどころとして、それぞれの授業がお互いに補完し合うように設計はされていないので、接点を見いだすのは個人の力量に問われます。(点と点を結び意味を見いだすのは自分でやるしかない。)学部から直で上がってくる人にとっては少しゼネラリストすぎかなという感じです。 

以下、その他の感想:

  • 今年のIDBM生は若めの人が多かった(学部から直で上がって来る人もたくさん)
  • 今年は女性が多かった(Industry Projectの全10チーム中、8チームは男性1人)

アールト大学も、IDBMも、常に変化し続けていることが前提としての感想でした。毎年毎年、丁寧にフィードバックを受け付け、改善していこうとする姿勢は本当に良いです。そしてIDBMはプログラムとしては発展途上であるものの、良い部分は数えきれないほどあります。electiveでは幅広い授業の選択肢が受講できますし、IDBM以外でも関わることができる面白いモノ/コトがたくさんあります。今年の授業構成が来年続くとも限りませんし、むしろ去年より全然良い!という声も聞こえていました。また、トンカチを持てば何でも釘に見える、と同じく、自分自身でしっかり学ぶ姿勢を持っていれば学ぶことはいくらでもあることは事実です。

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タンペレ市のムーミン美術館のムーミン像。サイズがドンピシャにかわいい。

修士論文に向けて

さて、2年目の大きなプロジェクトとしてMaster's Thesis(修士論文)があります。Industry Projectではプログラムのスケジュールもあり、クライアントの都合もあり、チームで課題に挑む、というコンテクストがありましたが、修論は自分で決めて自分で推し進めるもの。個人でコントロールできる要素がかなり大きいです。IDBMを2年間という枠組みで俯瞰すると、1年目ではIndustry Project、2年目では修論、というナイスなコンビネーションなのではないでしょうか。

デザインの学院生全員に向けたDesign Researchの授業では最終日、修論に向けての説明会(Thesis Seminar Kickoff)が行われました。修論って何?から始まり、その進め方などについて念入りに説明を受けました。特にこの夏季休暇中にやっておくべき課題も提示されました。

  1.  a) Develop your topic OR b) List relevant literature
  2. Write 100 Theses
  3. Study Department’s MA theses
  4. Learn the requirements

まだ研究したいテーマが決まっていない人(はい私です)は、修論のテーマのタイトルを100個リストアップしろ、3週間日記をつけて興味エリアを深く観察しろ、興味だけで収まるのか修論として研究するに値するものなのかを分析しろ、などいくつかの課題をこなす命令が下されました。

5月中に修士論文の発表もいくつか見たのですが、うまくできているなと思ったものと、本当に修論として完成しているの?と疑問に思ったものの差がすごく、かなりの焦燥感を感じました。夏は修論に向けての冒険の始まりです。

Industry Project 終結とガーライベント「IMPACT」

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ガーライベント:IMPACT

4月の終わりから今週にかけ、忙しい日々が続いておりました。前回のエントリーからまた1ヶ月ほどが過ぎてしまうところでした。

Industry Project の終盤はデザイナー陣のウェイトが本当に重いです。最終プレゼンスライド、動画、展示ブース用の制作物、等等。調子に乗ってこの時期に授業を3つ詰め込んでしまった僕はツケがまわり、忙殺されてしまいました。他の3つの授業もそれぞれチームワークでのプロジェクトが並行したため、スケジュールの調整だけで一苦労でした。

昨日、Industry Projectの終結イベントである「IDBM IMPACT 2019」が開催され、無事に終了しました。今回のエントリーはそのリポートと合わせ、僕等のプロジェクトの紹介も混ぜてのエントリーにしたいと思います。

IDBM IMPACT とは

アールト大学IDBMのIndustry Projectを終結するクロージングイベント。それぞれのチームが5ヶ月間やってきた成果をプレゼンし、ブースにて展示する機会です。会場は市内中心部・ヘルシンキ大聖堂の向かい側にあるホール「Valkoinen Sali」で行われました。

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開場直前 - ホール内の様子

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開場直前 - エントランスの様子

今年の印象

想像していたよりも全チームのアウトプットのクオリティが高かったと思います。クライアントから与えられた課題に対してかなり明確にソリューションを提示していたチームがいくつもあったのには正直驚きました(そこまでうまくいかないだろうと思っていたので)。もちろん課題の抽象度、クライアント企業の姿勢、など様々な要因が絡んでの結果なのですが、他のチームのプレゼンを聞いていて面白いと思ったストーリーが沢山ありました。

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IDBMディレクター、ニーナ・ヌルミ氏による冒頭挨拶

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キーノートスピーカー:アンニ・ハルユ氏。IDBM卒業第1期生(?)だそうです

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全てのプレゼン終了後、ブースにて詳しく説明

僕等のチームの概要

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Lindström

僕等のクライアントは創業170年を迎えるフィンランド老舗「Lindström」という企業でした。数千人の従業員を抱え、20カ国以上においてオペレーションを広げる、オーナー企業ながら大きい企業です。テキスタイル専門の会社なのですが、一番思い浮かべやすいのはフィンランドの(例えば空港や学校、モール等で)トイレの洗面台に良く設置してあるタオルディスペンサーとしての会社です(タオルディスペンサーの中のタオルを製造、配布。外側の箱は外部から調達)。タオルディスペンサーに加え、作業着やマットなど、テキスタイルに関しては幅広くB向けコモディティーを提供しています。近年ではタオルディスペンサーにセンサーを搭載し、タオルがなくなる前に交換シグナルを清掃員のアプリに発信してトイレ利用の顧客エクスペリエンスを担保するIoTシステムを開発するなど、ハイテクエリアにも手を広げ、成長シナリオを描こうとしています。

僕等のチャレンジ

クライアント発表(1月に遡ります)と同時に、クライアントからのチャレンジが提示されました。クライアントから提示されたのは、「上記のIoTタオルディスペンサーから得られるデータを使い、どうトップラインを上げ、顧客獲得とリテンションに繋げるか」といったものでした。そしてこれを聞いた途端、僕は「うっわー..」と思いました。

1つ目の理由は、IoT関連のデータ活用に関しては既に死ぬほど文献が出ている、研究しつくされているエリアだと思ったからです。僕等の5ヶ月というスコープの中に収まらなさそうなテーマ、という点で気が重くなりました。2つ目の理由は、IoTという手段で売り上げをUPするという安直すぎるこの問いがそもそも正しく、向き合う価値があるのかどうか、かなり懐疑的になったからです。

問いの切り口を変更

そして予想通り、始めのデスクトップリサーチ段階でIoT関連を調査していた僕等は割とすぐに壁にぶち当たりました。IoTにおけるデータ活用手法にはパターンが存在し、Lindströmは既にそれらをやっていたのでした(もしくはやろうとしていたのでした) まぁ、そうですよね。

深圳と香港へのリサーチトリップでは主にIoTまわりの現場の深掘り調査を、ヘルシンキではLindströmの顧客である会社や組織をにインタビューを数多く実施しました。そしてそこから見えてきたことが、問いを変更するヒントになりました。

Lindströmの会社のホームページに行くと、この会社のサステナビリティに対する取り組みの姿勢がかなり大々的に記載されているのですが、①競合と比較してもここまで幅広くシームレスにB向けのテキスタイルを提供できている会社は他にないこと②始めから終わりまでサステナビリティに関して気をつけていること、等に注目し、問いに対しての見る角度を改めてみました。

そして当初の「IoTのデータ活用」という一次元的な見方を変え、サステナビリティへの関心を起点としたサービスイノベーション及びデータ活用、というコンセプトが浮かび上がりました。Lindström製品を使うことでどれだけ環境と財布に優しい選択ができているかを視覚化&解析できるインタフェースを提供することで、顧客はより気持ち良く、且つエコノミカルにビジネスができる=リテンションに繋がるのでは、という仮説です。Lindströmにとって大事なバリュー(サステナビリティ)、顧客企業へのメリット(透明性、視覚化)、エンドユーザーの顧客体験向上(かゆい所にも手が回る、より良いサービス)を包容したアイデアが出来上がりました。

データの取得はLindströmが提供するテキスタイルに縫い付けてあるRFIDタグ等から可能なので、使用回数と頻度、回収のタイミングから水、電気、炭素排出を算出するモデルもできます。IoTネットワークから取得できるデータを活用するという初期の課題にも沿う形で結びつけることができました。

始めから終わりまでのプロダクトライフサイクルはテキスタイルであるため、できればリサイクル、できなければダウンサイクルし、サーキュラーエコノミーでいうclosing the loopを実施できていることを証明するプラットホームとしても活用できるため、プロセスも全て公開して透明性をさらに高めるということがLindströmのバリューとも一致したようです。

顧客へのユーザーインタビューから、「Lindströmを選ぶ理由」などを特定でき、この仮説とコンセプトの有効性を実証する時間もとれました(上記の実際の画面デザインやビジュアルなどはここで公開していいのかどうかグレーゾーンです)。

クライアントもこのソリューションにはかなりハッピーだったようですが、個人的な印象では少し寛容すぎるかなとは思いました。会議で問いを変更する相談をするとあっさり「うんいいよ!」と返ってきたのには「え、本当にいいの?」とか思いましたし。

がしかし、僕らの当初の問いを考えると、切り口の変更を快く了承してくれたことは良かったのかと思います。

クライアント先での最終プレゼンでも先方は7人ほど出てきて話を聞いてくれ、想定していた以上のポジティブな反応をもらえました。一部分だけでも実際にimplementされたらいいですね。

以下、Industry Projectを終えての感想のまとめです。

良かったこと

  • オープンでサポーティブなクライアントに恵まれたこと(←これは本当にラッキーであった)
  • 与えられたチャレンジに対してリサーチを経た結果、切り口を変更し、良いと思えるビジネスコンセプトが考案できたこと
  • クライアント企業もハッピーな結果を提案できたこと
  • チームが崩壊せず、プロジェクト終了まで漕ぎ着けたこと 

学んだこと

  • 多様性を常に意識しながらのチームワーク(専門性、ナショナリティ含む)
  • 課題/仮説を再定義するプロセスの大切さ(簡単なようであまりうまくいかない) - 提示された課題が"本当に正しいのか"はもっと深く問いかける必要があるし、できるだけ早い段階でやるべき
  • 結局は問いを探るジャーニーであった

ダメだったこと、改善すべきこと

  • チームの仲は良かったものの、途中であまりミーティングに来なくなってしまうチームメイトもいたこと。仕事や修論と両立してこのプロジェクトをとってる人はどうしても忙しさが倍増しますが、それで他の人の作業ウェイトが重くなってしまうのは残念。2:8の原則で考えると、そんなものかもしれません
  • もっと早い段階で問いのリフレーミングをするべきだったこと
  • 今思い返してもやはり課題とソリューションが少し抽象的だったこと(リフレームした課題をもっと絞っても良かった)

IDBM

これにてIndustry Projectは終結です。IDBMの1年目のメインとなるプロジェクトであり、最も多く時間を割いてきた活動ともしばしお別れ。ほっと一安心すると同時に少し寂しさの余韻が残ります。

あと2週間は別の授業のファイナルプロジェクト等がありますが、暖かくなったヘルシンキは本当に最高すぎるので、室内にこもって机に向かうのが苦痛ですね。