アールト大学 IDBM留学日記

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SLUSH HELSINKI 2018 - Sustainability Teamのボランティアに参加

英語で「雪と水がまざったぐちゃぐちゃなアレ」的な意味をもつslush。本当に雪泥まみれのヘルシンキの12月4日と5日で、スタートアップ祭り-SLUSH Helsinki 2018が開催されました。フィンランドに留学している方にとって学業以外でたくさんの学びがあると思いますが、このイベントもその1つだと思います。僕も楽しみにしていたイベントでした。折角の学生という有限な立場も活かせるので、ボランティアとしてこのイベントに参加することにしました。

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ボランティアとして参加することのメリットはいくつかあります:

  • イベント本体に無料で入れる(一般だと800ユーロ/学生は100ユーロくらい)
  • 舞台裏を観れる
  • Afterpartyも無料で入れる
  • 履歴書に書ける(職務経験がまだない学生にとっては大事みたい)
  • 色々ネットワーキングができる

僕の参加したボランティアチームはSustainability Teamといって、イベントをできる限り環境に優しい形で行えるように動くことを目的としたチームです。ボランティアとして応募できるカテゴリーは色々あるのですが、最近Sustainabilityに対するトピックが目に入りまくるのもあり、個人的な興味もあったので、応募フォームでそれにチェックをいれました。SLUSHのイベントそのものについては色々なレポートがあると思うので今回はあまり書かれてなさそうな、このSustainability Team に参加した体験談を残したいと思います。

 全ボランティアの集合写真(from @SlushHQ on IG):

Sustainability at SLUSH

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SLUSH はEcoCompassという証明書を保有しているイベントです。このEcoCompassというのは環境へのfootprintを最小限に抑えるコミットメントをする組織にのみに与えられる証明書です。これは以下の項目に該当します:

このcertificateはSLUSHが大事にするバリューを効率よく伝えていると思います。実際に以下のようなことが厳密に行われました:

  • イベントでは水道水しか提供しない(ペットボトル飲料はほぼ買えない)
  • 公式販売される衣類にはリサイクルされた素材を使用Pure Wasteというブランド)
  • クロークルームの引き換えタグは古いカーペットを切って再利用されたもの
  • フライヤー、ステッカー、その他販促物の配布は全て厳禁!出店企業からのお土産は一切ありませんでした。無料で広告させないということと、無駄なゴミを増やさないという信念のもと(実際、見かけた際は全て没収してリサイクルビンにいれるように指導があった)- これに関してはかなり守られていた感じでした。
  • ケータリングで使用されるお皿やフォークナイフはbiodegradableを使用
  • ベンダーにはveganのオプションを必ず用意させる

などなど

2008年の第一回のSLUSHではこのような取り組みはなかったそうです。2年目にたった数人での取り組みが始められ、翌年、翌々年と、回数を重ねるにつれてこのSustainability Teamの規模も活動範囲も責任も大きくなってきたのだとか。今年のSustainability Teamは総勢112人、8グループ(各グループ約15名)と、過去最大のようです。

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リサイクルされたゴミのその後

SLUSHで回収されたリサイクルゴミはその後どのように処理されるのか。公式パートナーとしてLassila & Tikanojaというサーキュラーエコノミー専門の会社と組んで行われます。イベントで分別→資源としてL&Tが個別に再利用される様にそれぞれの施設へ運搬。という流れになります。

Organic Waste
全てのorganic wasteはLABIOという施設へ運搬されます。フィンランドで一番大きいリファイニングプラント。処理されたゴミは家庭/業務用に使えるバイオガスを生産。コンポストプラントも保有しており、生ゴミから作られたコンポストは農業にも使用されます。

Incinerable Waste
このカテゴリーのゴミはVantaa地区にあるエネルギー施設に送られ、地区の熱源となるために使用されます。

Bottles & Cans
ここでいうボトル、はペットボトルのこと。空き缶とペットボトルはそれぞれ個別の袋に分けられます。その後、Suomen Palautuspakkaus Oy(PALPA)という、パッケージのリサイクル業者に送られます。全てそのまま新しい缶やペットボトルを作る資源になります。

Paper & Cardboard
紙や段ボールはL&TのKerava施設に送られ、トイレットペーパーや再生紙に利用されます。

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Sustainability Teamに入るまで

SLUSHのボランティアは基本、年齢、性別、国籍、関わらず、誰でもできます。ボランティアは学生が多かった印象です。しようと思ったらまずしなければいけないのが応募フォームの記入。とはいっても基本的な情報を埋めて、どのボランティアチームに参加したいかにチェックをいれて送信。これが確か9月か10月頃にやりました。数週間後、Sustainabilityのグループリーダーから面談したいとの連絡がありました。(グループリーダーは集計された応募者の中から選び、面談に誘う)この1on1の面談はどのボランティアグループに入るにも必要になります。面談を通して良さそうだったら多分正式に"採用"。10月, 11月では数回ほどトレーニングがありました。チームメートとも事前に会える機会になります。 

イベントでの実際の活動

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前述の通り、Sustainability Teamの中でも僕等のチームはAfter Partyが担当シフトでした。このAfter Party というのは2日目の夜10PM〜翌朝4AMまで、同会場で行われるパーティーです。本ちゃんイベントの2日間は無料で自由に見物できるのが1番のメリットだったと思います。僕も3つのステージを駆け回って講演を聞きまくりました。

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僕らのチームは20:30に現場に集合。軽い打ち合わせのあと、各自持ち場へ。会場のレイアウトとゴミ収集所のあり場所を確認し、ローテーションを確認。僕の持ち場はメインステージの脇のバーのすぐ隣。Jillionaireという有名DJがパフォームする一番人気のステージ。音楽を脇で聞きながら、客がちゃんと分別してゴミを捨てられるように、ゴミ箱のフタを開けるのが仕事です。ここらへんは特に難しくもない単純作業。一番の気をつけポイントは紙コップとプラスチックコップ。

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お客さんも一番混乱するのが、この透明プラスチックコップがincinerableなのかbiodegradableなのか。正解は後者です。このコップがbiodegradeable wasteにちゃんとソートされるように細心の注意をする必要がありました。

ゴミ収集ステーション自体はこんな感じ。

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分別のカテゴリーは:

  • incinerable
  • biodegradable
  • bottles and cans
  • glass and metals
  • paper and cardboard

特に大変なこともなく、主目的である分別の確認もでき、ちゃんと分別お客さんにも満足いくゴミ捨てサービスができたと勝手に思っています。

まとめ

  • イベントでの環境に対する意識が半端なく高くて素晴らしい
  • リサイクルのためだけにものすごいエネルギーが注がれている
  • お祭りとしては楽しく、真面目に周れば得るものはたくさんある

ちなみに

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Slushそのもののイベントはすごかったものの、去年の写真を見ている限り今年はそこまで派手じゃなかったという印象でした。なので少し残念!去年はレーザーショーがものすごく、登壇するスピーカーもすごかったそうです(Al Goreとか色々)。正直なところ、ショーとしてのクオリティは去年に比べてステップダウンだったのかと感じました。ですが来年も参加するか?と聞かれたら迷いなく是非したいと思います。