フィンランド発・疑似肉で地球を救う!Gold&Greenへ訪問
IDBMの2つめの授業 Corporate Entrepreneurshipの2週目が終わろうとしています。
昨日はこの授業の一環で、麦を使った疑似肉(Pulled Oatsと言ってました)を製造する会社「Gold&Green」に訪問し、事業の内容やビジョンが心に残ったのでそのメモです。
疑似肉自体はそれほど新しくもなく、今までに大豆を使った物など色々ありますが、こちらの会社が製造しているのは素材が「麦」ということで注目を浴びています。
Gold&Green について
- 2015年に創業
- 創業者のマイヤはデザイナーでアールト大学のIDBM出身
- 創業者がベジタリアンで肉の代替選択肢が少ないことに疑問をもち、スタート
- 創業から3年で現在は50名ほどの社員に成長
- 食料品大手のPauligから出資を受け、会社を51%保有
- 製品は動物を使わない、保存料を使わない
↓画像は「Nyhtökaura」という製品。Gold&Greenのプレスキットより
会社説明の担当の方の話
- Sustainable Food (持続可能な食料品)というのは食料品そのものやパッケージの話だけではなく、ライフサイクルそのもののことを指す
- 一番最初の製品出荷時はパレット1枚分の量しか製造できなかった
- 出荷/販売と同時にフィンランド国内で大きなブームが起こった
- 大豆を使った疑似肉は麦を使ったそれほど環境に良くはない
- 大豆アレルギーの人もいるので麦のオプションを
- 寒い北欧でも育つNordic Oatsを使用
- 肉産業は政府からの助成金が出るが、疑似肉の企業には出ない
- プロテインビジネスは国内でメガトレンド
- 環境に優しい(動物を使わない)意識が高まっている
- Gold&Greenは今までにないカテゴリーと市場を新たに創造することによって業界リーダーになれた
Gold&Greenが大切にしている4つのルール
- Taste(味)いくら環境に優しいとはいっても味が悪ければ消費者は買ってくれない。味の良さには相当R&Dの力をいれている。
- Usage(人との交わり)食料品と人が接触する"インターフェイス" - 既に人間になじみのあるものに仕立てる。
- Nutrition(栄養)麦という素材なので栄養価は高い。驚くべきことに肉と同等のタンパク質を引き出すことが可能。
- Access(アクセス)消費者が買いやすくするためにスーパーの「肉」と同じコーナーに陳列。
疑似肉で地球を救う
エントランスを入った奥の壁にも書かれているように「For us it matters」(私たちには関係ある)をいうビジョンをすごく重要視しているそうです。動物を使わないこと、ちゃんと栄養をとれて美味しい食料品を提供できること、で本当に地球を救うことに関心があることも担当者から聞けました。
↓画像は創業者とビジョンの壁。Gold&Greenのプレスキットより
いきなりお題!国外へマーケティングせよ
ただの企業訪問で終わらないところがIDBMっぽいです。「せっかく国際色豊かな皆さんがいるのですから、この疑似肉パティー(ハンバーグみたいなもの)を貴方達の国でのマーケティング案を考えてください。5名で1チームを作って、さあどうぞ!」
担当の方からそんなアナウンスがあり、課題タイムに突入。近くにいた5名でチーム結成。「どこの国にマーケティングしよう?あ、君日本人だね。じゃあ日本にしよう!」ということで日本へどう持ち込むかブレスト開始。制限時間いっぱいの30分で仕上げました。
出来上がって発表した内容は:
- 日本ではそんなにビーガン指向や食の環境意識は高くない(けど伸びてるかも)
- 日本人は味に繊細なので、美味しければまあいけるんじゃない?
- 「Mugi-burg」という製品名(人々が具体的にイメージし易いように)
- 日本はフィンランド文化が好き(ムーミン、マリメッコ)なので、それをフロントにもってくれば注目されるかも
マーケ担当の方もその場の発表に聞く側として参加。「ムーミン肉 (Moomin-meat)にしよう、という社内ジョークもあるわ」とのフィードバックに一同騒然。
ムーミン肉...!
まとめ
- Gold&Greenの事業、製品、ビジョンがとても良く分かり、素敵だった
- これからの食の素材への関心の高さは世界を救うヒント
- 「サステナビリティ」や「地球を救う」のようなキーワードに触れる機会が多いこの頃を再認識した
現地の友人の話によると実際、Gold&Greenの疑似肉は売り切れが続出するほどポピュラーらしいです。次にスーパー立ち寄った際はこの製品や疑似肉を使った地球に優しい肉に注意して買い物をしたいところです。